BLOGTachibana の日記

使い切るということ

2022.2.2

前回に続き、使い切る、という話。

 

「和紙は全く捨てるところがありません」

叔父がそんな風に言っていたことをよく思い出します。

もう鬼籍に登られた叔父は元気な頃、一家でよく遊びに来ていました。私の父とは義理の関係ですが、兄弟の中では一番気が合っていたように思います。

叔父は趣味で版画をやったり干支を張り子で作ったりと、とても器用な人でした。そのため和紙もよく使っていましたが、部分的な傷で売り物にならない物など差し上げると、とても上手に使い切っていました。

使用済みのクラフト封筒なども、一度解体して裏返してまた封筒にし、手紙や冊子などを送ってくれる時に使っていました。私が出した手紙の和紙封筒も、小さくちぎって文字の所などもうまく利用し、私の名入りの張り子になって返ってきました。

再利用できるものはする。そして、どんなに小さな切れ端でさえも無駄にしない───。

 

叔父、といっても父よりだいぶ年上でした。戦中戦後の経験などもあったのでしょう。物を使い切る、ということを教えてくれた人でした。

 

───────

 

以前から、封筒を作った時などに出る裁ち落としの活用法を考えていました。幅のある物は豆ノートにしてみたりもしました。端材として販売したこともありました。

でもそれらのことは、とても手間のかかること。

段々忙しくなり、作業も一人になり、手間をかける時間が無くなり、端材がたまっていく一方になっていました。

とてももったいない。

 

そこで再び、裁ち落としを売ることにしました。

ちょっとずつでも、使いたい方の元へ届くように。

少しずつ時間を見つけて、店頭に並べたいと思います。

本当にちょっとずつですが、そこに出会いがあることを信じて。

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