BLOGTachibana の日記

展示会を終えて

2022.10.15

未晒の紙を主役にするにはどうしたらよいか。

長年の懸案でした。

 

 

色柄ものも、可愛く、綺麗なものを作っていると楽しいものです。でもそれをやっているとやはり原点の、未晒の、素材そのものの良さに改めて気付かされる。同じ物を作り続けていると飽きるから、ただ漫然と、となり易い。そこでまた、可愛いものや目先の変わったものを作りたくなる———。

父と一緒に作っていた頃は、自然な流れで父が未晒担当、私が色柄ものを、という役割分担になりがちでした。

今、全てを自分でやるようになってからは未晒のものと色柄ものと、両方のバランスを考えます。

 

原料栽培から全てを一人でやりながら、寅印の構想を練ってきました。展示販売会「寅印お披露目」を開催するにあたり、未晒の良さを見つめ直した時間でもありました。

また、ここ数年は紙漉き技術の更なる向上を図った時期でもあり、奇しくも様々の見直しを行いました。

ひとつひとつの工程を、もう一度よく確かめながら進めていくと、新たな発見も得られました。

 

 

今回の展示会は、私にとって大いなる挑戦でした。純白のギャラリーに、あえてシンプルな未晒の紙を中心に据える。

おっかなびっくり始めた挑戦でしたが、一つの形が、見せる形が出来たように思います。

未晒の紙を主役に。この挑戦はまだまだ続くことでしょう。

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