BLOGTachibana の日記
引き継いだ想い
2021.9.28この看板も、作ってからかれこれ20年近く経つでしょうか。
すっかり塗装が剥がれてしまったので、この程塗り直しました。
木目を楽しみたいところですが、風雨に晒されることが前提なので、しっかりと塗装しました。これでまた暫く持ってくれる事でしょう。
これを作った当時は、色々なものを手作りしていました。
職人が自分の道具を手作りしたり、カスタマイズするというのは、よくある事かと思います。私達も、作業台や一部の簡単な漉き具など、木製品はたいてい手作りしておりました。
当時から夏場は紙漉きのシーズンオフとしていたので、その間を利用して、仕事のものだけでなく住まいの補修まで手を出したりしていました。
私の記憶違いでなければ、この看板のベース部分(茶色に塗装した部分)は梅田杉、しかも父所有の山から切り出したものかと思います。僅かな面積の山でしょうが、自前の山の杉を切ることになり、出荷しても大した値がつかないのでいっそのこと、自分で使いたいと、地元の製材所で板やら角材やらにしてもらいました。
自宅敷地内に積んで乾かしながら、色々なことに使ったのを憶えています。
看板の白い文字の部分は買った合板ですが、父がジグソーで切り抜き、私も釘打ちを手伝いました。塗装して仕上げ、設置したのもよく憶えています。
製材した材木は、量が多かったため全てを資材として使うことは出来ませんでした。雨を避けるようにしてはいたものの、やはり無傷というわけにはいかず、年数が経つにつれ腐ったりしてしまいました。そうしたものは最後、薪として使い切りました。
身の回りのものを出来るだけ活用したい──。いつもそんな風に考えています。
父が教えてくれたこと、譲り受けたものは沢山ありますが、こんな考え方も、引き継いだものの一つなのかも知れません。