BLOGTachibana の日記

薪のはなし

2022.3.12

1月、楮畑の端に生えていたコブシの木を伐採してもらいました。

春には花を愛でていましたが、大きくなり過ぎて楮(こうぞ、和紙原料)の生育に影響が出てきたので。

倒した木は、薪として使えるよう、細かくして置いていってもらいました。

 

当工房では、原木を蒸す時、原料を煮る時、紙を乾燥する時、燃料には薪を使用しています。

「薪の方が良い効果が得られるからか」

そんなふうに訊かれることがよくあるのですが、燃料はなんでもいいのです。

私が薪を使っている理由は「そこに薪があるから」ということになるでしょうか。

 

父が存命の頃は、地元の林業家から、出荷後に不用になった半端材を譲り受け薪にしていました。軽トラックで貰いに行き、自分で玉切りして割っていました。

林業家の方にとっても片付くので「取りに来られるのなら」と無償で快く譲ってくださいました。それをこちらの労力で燃料化していた、ということです。

 

今は私一人ですので薪として作られたものを購入しています。

また、工房で邪魔になった木の伐採を依頼した時は、薪にして戻してもらうようにしています。今回のコブシのように。

焚き付けに使うモヤ(枯れ枝など)を拾ったりすれば周囲もきれいにもなりますし、ちょっとした保全にも繋がるかと思っています。

 

出来るだけ身の回りの物を利用する、ということを常に考えています。

それが、この地に生きる自分にとっても、自然なことと思えるからです。

 

 

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