BLOGTachibana の日記

日光の力

2023.3.1

原料(白皮)を水に戻して煮る準備を始めてから漉いた紙を乾燥させるまで、ずっと水に濡れた状態なので、その間は間延びすることなく作業をします。

従って紙を寒漉きするということは、その前後の冷たい水を使った作業も必ず伴うのです。

 

冬場は晴天の日が多いので、ガラス窓を大きく取った小屋でカズさあし(ちり取り)をします。

私の工房は山の中、向かいの山もそそり立っており、真冬の日照は半日しか期待できません。年齢を重ねて目も悪くなってきますから、明るく暖かいお日様の光は有難いもの。以前はこの机型の流しの足元は板で覆われていて、日が当たりませんでした。元々DIYで作ったものでしたから、自分で作り直して足にも日が当たるようにしたところ、冷えが改善されました。

2月にもなると少しずつ日も長くなってくるのでちょっとホッとします。貴重な太陽の光をなるべく利用します。

もう3月を迎えましたが、今頃の時期になると晴れた日の日中は暖房いらずのことも。水は冷たいのでお湯で手だけ温めれば、なかなか快適に過ごせる日も出てきます。

空が広いということ、井戸水など水温が一定の他産地などを少し羨ましくも思いつつ、与えられた場所でどう生きるかを考えます。

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